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先日11月23日に、府中の森芸術劇場どりーむホールにて無事に新書館『ワールド・フィギュアスケート』創刊20周年記念講演会「マルチメディア時代のフィギュアスケート」を開催することができました。
新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあり、再び警戒ムードが高まりつつある最中の開催でしたが、新書館をはじめ公演スタッフの皆さんの徹底した感染拡大防止対策と、ご来場くださいました全ての皆さまのご理解とご協力を賜りましたおかげをもちまして、イベントを成功へと導くことができました。皆さまに、心より感謝を申し上げます。
当初講演会を行う予定であった3月には、1,300名を超える皆さまにチケットをご購入いただいておりました。きっと楽しみにしてくださっていたのにもかかわらず、お越しになれなかった方もいらっしゃったのではないかと推察しております。そのようなこともあり、この度新書館とJ SPORTSがタイアップをして、講演会と特別展示会の模様をJ SPORTSオンデマンドにて配信してくださっています。ご興味のある方は、ぜひそちらをご覧ください。
J SPORTSオンデマンド:「ワールド・フィギュアスケート」創刊20周年記念特別企画 町田樹氏講演会「マルチメディア時代のフィギュアスケート」
https://jod.jsports.co.jp/p/winter/skate_others/201129-1200-V
また、講演会当日に情報解禁させていただきました通り、新書館(代表)、テレビ東京/BSテレ東、プリンスアイスワールド、Atelier t.e.r.mの4者が協働して、来年4月下旬に「氷上の舞踊芸術――町田樹振付自演フィギュアスケート作品集 Prince Ice World 2013-2018」という演技映像集(Blu-Ray)を発売いたします。フィギュアスケートの演技は様々な著作権が絡みアーカイブが非常に難しいですが、この度、業界初の全演技オリジナル音源で収録する完全アーカイブ映像集となっております。現在、鋭意制作中ですので、ぜひ楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
2020年 12月 10日
町田 樹
この度、私が2019年に『日本知財学会誌』上で発表しました論文「著作権法によりアーティスティック・スポーツの保護の可能性――振付を対象とした著作物性の画定をめぐる判断基準の検討」が、日本知財学会令和2年度優秀論文賞を受賞しましたことをご報告いたします。
受賞対象となった論文は、振付と著作権法の関係をめぐる国内外の先行研究を網羅的に整理した上で、国内著作権法下におけるダンス振付やアーティスティックスポーツ振付の著作物性の判断基準を提唱するものとなります。
なお、当該論文は大幅な加筆修正を施した上で、白水社から出版いたしました『アーティスティックスポーツ研究序説――フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論』の第Ⅱ部に収録しております。従いまして、当該論文の内容にご興味のある方は、ぜひ著作の方をご参照いただけましたら幸いです。
日本知財学会優秀論文賞受賞論文一覧:
https://www.ipaj.org/bulletin/yusyuronbun.html
白水社『アーティスティックスポーツ研究序説』(町田樹著):
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b508458.html
*11月27日より電子書籍版も配信しております。
2020年 12月 10日
町田 樹
10月よりテレビ東京の公式動画配信サービスである「ネットもテレ東」にて、「町田樹緊急招集スペシャル・プリンスアイスワールド傑作選2013-2014」が配信されています。この番組は、ソチオリンピック前後のプリンスアイスワールド2013〜2014年公演をまとめた永久保存版となっています。なお、私も配信する演技の選定作業と解説に携わりました。
このプリンスアイスワールド傑作選は、12月31日までの間、下記のURL(ネットもテレ東)にて配信中ですので、是非ご覧ください。
ネットもテレ東:プリンスアイスワールド傑作選2013-2014公演
https://video.tv-tokyo.co.jp/princeiceworld/episode/00076947.html
残念ながら著作権の関係上、選出した演技全てを配信することができませんでしたので、ここに私が考える2013〜2014年のプリンスアイスワールド傑作選を記載しておきたいと思います。
●2013年公演
(1)PIWキャスト:《オープニングナンバー(Seasons of Love)》
(2)小塚崇彦《Unsquare Dance》
(3)八木沼純子《All That Jazz》
(4)PIWキャスト+古澤巌+平沼有梨+太田由希奈《ニューシネマパラダイス》
(5)PIWキャスト+古澤巌+平沼有梨《ロクサーヌのタンゴ》
(6)PIWキャスト+古澤巌+平沼有梨《Oblivion》
(7)PIWキャスト+古澤巌+平沼有梨《River Dance》
(8)フィオナ・ザルドゥア&ドミトリー・スハノフ《Breath of Life》
(9)ブライアン・ジュベール《RISE》
●2014年公演
(1)フィオナ・ザルドゥア&ドミトリー・スハノフ《November Rain》
(2)浅田真央《Smile》
(3)PIWキャスト+鈴木明子《Asian Dream Song》
(4)羽生結弦《花になれ》*2014年PIW八戸公演での演技
また上記番組の解説において、以下の事実誤認がありました。以下、訂正するとともに、心よりお詫びを申し上げます。
●庄司理紗《Dark Eyes》演技中解説(番組20’49”-20’56”)
誤:
庄司さんにとって2013-2014年シーズンというのは、選手としては最後のシーズンになります。
正:
庄司さんが競技者を引退されたのは、2019年3月です。従いまして、正しくは「庄司さんにとって選手としての最後のシーズンは、2018-2019年シーズンである」ということになります。庄司理紗さん、視聴者の皆さま、大変失礼いたしました。
フィギュアスケートの傑作演技というのは、競技の文脈を離れても何度でも愉しむことができます。そして2014年以降も、まだまだプリンスアイスワールドでは傑作演技が生み出されます。こうしたアーカイブ企画が引き続き継続されますことを願って、皆さまに改めて告知させていただきます。
2020年 12月 10日
町田 樹
先日10月12日に、「フィギュアスケーターのためのバレエ入門」(イープラスStreaming+)が盛況のうちに配信終了となりました。
ご視聴くださった皆さま、そしてSNS等でご感想を発信してくださった皆さまに、心より御礼を申し上げます。皆さまが発信してくださいました感想は、出演者・制作者・Atelier t.e.r.m一同で、とても嬉しく拝読させていただいております。
フィギュアスケート業界初のオンデマンド型ワークショップでしたが、多くの方々のご協力を得て充実したプログラムになりました。今後の新しいフィギュアスケートプロダクトの形を、皆さまと共に模索することができたと自負しております。
さて、すでに新書館から公式に情報が発信されました通り、来たる11月23日(月・祝)に、長らく延期にしておりました講演会「マルチメディア時代のフィギュアスケート」を開催することが決定いたしました。詳細は、下記をご覧ください。
【開催概要】
主催:株式会社新書館
日時:2020年11月23日(月・祝)15:00開場 / 16:00開演 / 18:15終了予定
会場:府中の森芸術劇場どりーむホール
〒183-0001 東京都府中市浅間町1-2
出演者:町田樹(國學院大學助教)
詳細:https://www.shinshokan.co.jp/wfs20th/event1123.html
【講演会プログラム】
●第一部 基調講演(登壇者:町田樹)
●第二部 シークレット企画(プレゼンター:町田樹)
昨今、フィギュアスケートに関する情報は、テレビ、出版物、インターネット、ストリーミング、動画投稿サイト、SNS等々、あらゆるメディアによって社会に発信されています。本講演会の第一部では、こうしたマルチメディア時代におけるフィギュアスケートと各種メディアの関係や展望を学術的に問い直してみたいと思います。
そして第二部のシークレット企画では、私がプレゼンターを務めるユニークなイベントを準備しております。おそらく皆さまには驚きと共に、大きな期待を寄せていただけると思うと、私たちもワクワクしています。
その他にも会場では、新書館および町田樹所蔵の資料展示と、今回初めて2作の衣裳展示を企画しています。そして今回の講演会を記念したAtelier t.e.r.m公式の新グッズも販売いたしますので、楽しみにしていてください。
講演会第一部については、後日配信や放送を行う予定ですが、第二部は当日会場に来てくださった方限定のプログラムになります。まさに一期一会のイベントになりますので、ぜひ会場にお越しください。
当然のことながら、本講演会は新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を万全の体制で実施したうえで開催いたします。皆さまには様々なご不便をおかけいたしますが、ご理解ご協力賜りますなら幸いです。
それでは、武蔵野の秋深まる府中の森にてお待ちいたしております。
急激に気温が下がり季節の変わり目となりましたが、どうかお元気にお過ごしください。変わらず、皆さまのご健康を心より祈念いたしております。
2020年 10月 17日
町田 樹
先日、9月12日正午より「フィギュアスケーターのためのバレエ入門」が配信開始となりました。チケットをご購入してご覧くださいました皆さまに、心より御礼を申し上げます。またSNS等でご発信くださいました感想などは、企画・出演・制作者一同、大変嬉しく拝読させていただいております。
思えばこの企画は、コロナ禍でスポーツ界や舞台芸術界の活動が制限される中、「それでも何か創造活動や教育活動ができないものか」と、制作者集団であるAtelier t.e.r.m(以後、アトリエ)の議論から生まれたものです。メンバーの一人が出したアイデアに、私をはじめ皆が賛同し、企画を練り上げ、心血を注いで制作してきたものになります。この度発表しました新作振付ショパン《別れの曲》についても、これまで私が実演してきましたフィギュアスケート作品同様、大事な音源選択から曲の解釈とコンセプトの考案に至るまで、アトリエによる企画・監修となっています。
改めまして、アトリエのバレエ入門企画に真摯に取り組んでくださり、かつ新作《別れの曲》も心を込めて演じてくださいました瀬尾茜さん、松村成さん、永井優香さん、清野桃葉さんに深く感謝を申し上げます。
また、2018年にスケーターを完全引退した私としましては、今回たとえデモンストレーションという形であったとしても、作品を実演すべきか非常に悩みました。しかし、「振付家たる者、手本を見せないでどうする」とアトリエのメンバーに背中を押してもらったおかげで、「バレエ入門」コンテンツの最後に収録されているデモンストレーションを実現させることができました。今後ともプロフィギュアスケーターとしてショーの舞台に上がることはありませんが、今回の企画を通じて、言葉だけで伝えるのではなく、我が身をもって手本となる実演を行うことも、振付家として重要な任務であることを学ぶことができました。新たな境地でアトリエの新作を、4名のスケーターとともに完成させることができましたことを、誇りに思います。
そして最後に、以上のような経緯から企画発案されました「フィギュアスケーターのためのバレエ入門」を、画期的なコンテンツとして実現してくださいました新書館の皆さまと、グランシェルピクチャーズの加藤清之氏に心より御礼を申し上げます。また、本企画の趣旨にご賛同くださり、全面的にご協力くださいましたプリンスアイスワールドにも深く感謝を申し上げます。
このコンテンツは、10月12日(月)23:59までの間であれば、いつでも、どこでも、何度でも、ご覧いただくことができますので、ご興味のある方は以下の詳細情報をご確認ください。
「フィギュアスケーターのためのバレエ入門」
https://www.shinshokan.co.jp/wfs20th/workshop0912.html
配信期間:9月12日(土)12:00〜10月12日(月)23:59
チケット:https://eplus.jp/wfs20th/
さて、9月12日に劇場やアリーナイベントの収容人数制限が緩和されました。引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に最大限取り組みながら、11月に控えている講演会「マルチメディア時代のフィギュアスケート」もまた成功させるべく、精進を重ねて参りたいと思います。
皆さまも、どうかお元気でお過ごしください。
また皆さまと同じ空間をともにできる日を心待ちにしております。
2020年 9月 15日
町田 樹@Atelier t.e.r.m
「フィギュアスケーターのためのバレエ入門」のお知らせ
新型コロナウィルスの全国的な感染拡大が再び広がっておりますが、皆さまお元気でお過ごしでしょうか。せっかくの夏休みの計画などもままならず、残念な思いでいらっしゃる方も多いかと思います。
スポーツ界も芸術界も、本格的な試合や劇場公演などに深刻な影響が及んでおり、私たち研究者にとってもそれはよそ事ではありません。けれどもスポーツも芸術も、それを実施し、制作する者たちが活動を止めることは「死」を意味します。私もまた講演会延期という状況の中で、それでもなおどのような活動が出来るか、ずっと模索してきました。
そしてこの度、新書館とAtelier t.e.r.mの協働企画「フィギュアスケーターのためのバレエ入門」を、新たに立ち上げました。これはフィギュアとバレエ双方を同時に扱う、オンデマンドとして初の試みとなります。
この企画は、昨今の感染症拡大問題でスケーターたちの活動が制限される中、フィギュアスケートにおけるバレエスキルの応用術をオンデマンド型のワークショップ形式で公開し、これまでの多忙な日常ではなかなか取り組めなかった「表現」についての再考の機会を、競技者にも、プロにも、そして鑑賞者の方々にも、新たに提供したいとの思いで実施するものです。
今回のワークショップは、3つのパートで展開していきます。
パート1では、町田樹が「表現の熟達のために」と題した講義を実施します。
パート2およびパート3は、それぞれプロや選手としてご活躍されている瀬尾茜さん、松村成さん、永井優香さん、清野桃葉さんと共に作り上げていくワークショップの二本立てで——
パート2では、実際にダンススタジオで、フィギュアスケートに応用可能なバレエの知識と技術を実践するワークショップを予定しています。
そしてパート3では、出演者全員で、今回町田樹が新たに振り付ける小作品—— ショパン《別れの曲》を演じながら、フィギュアスケートにおける美的・芸術的価値の実現力を養っていくワークショップを行う予定です。
以上すべてのコンテンツを通じて、フィギュアスケートの「表現力向上に資するノウハウ」をお伝えするほか、「フィギュアと舞踊(バレエ)の関係性」や「フィギュアの美的・芸術的特性」に関する知識を、共有することができたらと思います。今までには無かったこの取り組みを、「表現力とは何か」を考える多くのスケーターや、スケートファンの皆さまにご覧いただけましたら、大変嬉しく思います。
またフィギュアスケートが、バレエとはまた異なった舞踊芸術の一つになり得ることを、ダンスファンの皆さまにもお伝えできる内容になると思います。
詳細につきましては、随時、下記新書館のウェブサイトを通じて発信していきますので、ご確認ください。
「フィギュアスケーターのためのバレエ入門—— 「表現」熟達のための公開ワークショップ」
ウェブサイト
https://www.shinshokan.co.jp/wfs20th/workshop0912.html
主催:新書館
監修:Atelier t.e.r.m
協力:プリンスアイスワールド
講義・ワークショップ:町田 樹(慶應義塾大学・法政大学非常勤講師)
出演:瀬尾茜(プリンスアイスワールド)
永井優香(早稲田大学・2020年度日本スケート連盟強化指定選手)
清野桃葉(西武東伏見フィギュアスケートクラブ)
*新型コロナ感染状況によっては、出演者が変更になる可能性があります
撮影・編集:加藤清之
シューズ提供:チャコット株式会社
楽曲提供:Tzvi Elez(ツヴィ・エレツ)
なお、同じく新書館との協働企画である講演会「マルチメディア時代のフィギュアスケート」も二度の延期で大変なご迷惑をおかけしておりますが、11月の開催に向けて別途鋭意準備を進めておりますので、どうか楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。皆さまとお会いできる日を私たちも心待ちにしております。
皆さま、何よりもどうか健康第一に、良い夏をお過ごしください。
2020年8月1日
町田 樹@Atelier t.e.r.m
4月7日に緊急事態宣言が発令されてから、約2ヶ月が経ちました。この間、誰もが経験したことがない異様な日々ではありましたが、ようやく先日25日に全国で宣言が解かれ、少しずつでも「日常」が戻ってくるのではないかと期待せずにはいられません。
そのような最中、皆さまにご報告したいことがございます。すでに新書館からも公式情報が発信されましたように、7月25日(土)開催予定でありました同社主催の町田樹講演会「マルチメディア時代のフィギュアスケート」ですが、開催日程を再度調整させていただくことになりました。緊急事態宣言は解除されたものの、依然として大勢の人が集まる劇場イベントやアリーナ・スタジアムイベント等の運営につきましては、感染拡大のリスクを拭い去ることができません。このような状況下でも何とか安全に開催できないかと、新書館と話し合いを重ねてまいりましたが、やはり同じ観客数を維持しつつ、万全な体制で開催することが難しいと判断いたしました。大変残念で、申し訳ない気持ちでいっぱいですが、一度7月25日の開催を見送りたいと思います。
ただ、このイベントは必ず開催いたしますことを皆さまにお約束いたします。現在、新書館とも協議を継続させており、今年度内の開催を目標に再度準備をしていく方針です。ですので、どうか引き続き楽しみにお待ちいただけましたら大変嬉しく存じます。お待たせしてしまう分、より充実させたコンテンツを皆さまにお届けできるよう力を尽くしますので、ご理解賜りましたら幸いです。
まだしばらくは緊張や不便が強いられる日々が続くかと思います。どうかお身体を大切に、お元気にお過ごしください。私も皆さまにお会いできます日を楽しみに頑張って参ります。
2020年 6月 1日
町田 樹
この度、先月お知らせいたしました単行本『アーティスティックスポーツ研究序説 —— フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論』(白水社)については、新型コロナウイルス感染症問題の影響によって、編集・制作作業が遅延しておりましたが、ようやく6月15日に刊行(発売)されることとなりました。不可抗力とはいえ、刊行日が当初の予定から大幅に遅れてしまいましたこと、お詫びを申し上げます。
つい先日、書籍原稿の校正作業が全て終わり、無事に校了することができました。私自身がこれまで積み重ねて参りました研究・創作・実践活動の全ての成果を詰め込んだ一冊となりましたので、ぜひ刊行日を楽しみにしてくださいましたら、大変嬉しく存じます。
■ 書籍ウェブサイト
2020年5月15日
町田 樹
この度、白水社より私の単著である『アーティスティックスポーツ研究序説 —— フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論』を、5月末に刊行することになりました。この書籍は、本年1月、私が早稲田大学に提出いたしました博士論文に、大幅に加筆修正を施した学術書です。
私にとってこの著作は、大学院生として研究に励んだ5年間の成果であり、アーティスティックスポーツ界、延いてはスポーツ科学の領域に新しい眺望を拓こうとする試みの第一歩です。学術書であるとはいえ、研究者だけでなく、一般の読者の方々、アーティスティックスポーツに従事している全ての方々にも面白く読んでいただける一冊となるよう努力しました。ぜひお手に取っていただけましたら大変嬉しく存じます。
■書籍内容紹介
スポーツか、アートか—— 。フィギュアスケート、新体操、アーティスティックスイミング、ダンススポーツなど、スポーツとアートの重複領域についての初の論考。〈アーティスティックスポーツ〉という身体運動文化を、経営・経済学、法学、社会学、芸術学などを横断して探究する。スポーツ科学に新たな沃野を拓く画期的な著作。
■書籍目次
- 序 章 アーティスティックスポーツ研究序説
- 第I部 アーティスティックスポーツという新ジャンル
- 第1章 「スポーツは芸術か否か」論争にみる新たなスポーツジャンルの萌芽
- 第2章 「アーティスティックスポーツ」の原理
- 第I部結語 アーティスティックスポーツの振興のために
- 第II部 著作権法によるアーティスティックスポーツの保護の可能性
- 第1章 アーティスティックスポーツの著作物性
- 第2章 アーティスティックスポーツの実演該当性
- 第II部結語 著作権法による保護対象としてのアーティスティックスポーツ
- 第III部 鑑賞されるアーティスティックスポーツ
- 第1章 アーティスティックスポーツの批評 —— 意義と方法
- 第2章 プログラム再読のすすめ
—— アダム・リッポン《牧神の午後》を題材としたフィギュアスケート作品分析 - 第III部結語 等閑視されてきた芸術性を救済する批評
- 第IV部 スポーツ市場とアート市場を媒介するアーティスティックスポーツ
- 第1章 アーティスティックスポーツ市場から文化芸術市場へのジャンル間
転送現象の考察 —— フィギュアスケート鑑賞者の消費行動分析を主軸として - 第2章 観戦から鑑賞という眼差しへ
—— アーティスティックスポーツが拓く新たな市場とそのマーケティング - 第IV部結語 アーティスティックスポーツ市場におけるマーケティングの可能性
- 第V部 アーティスティックスポーツの産業領域
- 第1章 アーティスティックスポーツ産業の構造化
—— フィギュアスケートを参照事例として - 第2章 華美柔弱な産業構造
—— 二次データから読み取るフィギュアスケート産業の現状 - 第3章 スケートリンクのサステナビリティ再考
—— マイナーあるいはアーティスティックスポーツのファシリティマネジメント序説 - 第V部結語 アーティスティックスポーツという文化体系としての産業
- 第VI部 アーカイブが拓くアーティスティックスポーツの未来
- 第1章 アーティスティックスポーツとアーカイブ
- 第2章 アーティスティックスポーツをめぐるアーカイブの理論と実践
- 第3章 スポーツアーカイブ構築の理念と法的根拠
- 第VI部結語 アーカイブが築く文化としてのアーティスティックスポーツ
- 終 章 アーティスティックスポーツの創造と享受のために
■ 書籍ウェブサイト
2020年4月1日
町田 樹
本日、当ウェブサイトに「研究コラム —— 汽水域の哲学」を開設いたしました。今後、様々なテーマや課題に長く取り組んでいくつもりですが、その第一歩として、今日衰退の危機に瀕しているスケートリンクの持続可能性を考察していく連載〈スケート文化が根ざす場所〉を開始しました。ぜひこちらもご注目ください。
本日、2020年度が幕を開けました。IOC委員会において二度目の東京五輪開催が決まったのは、2013年9月7日。あの歓喜に沸いた瞬間から、日本社会全体がこの「2020」という節目の年に向かって邁進してきたように思います。必ずしも東京五輪を意識していたわけではないですが、私もこの2020を一つの節目にしようと歩んできた一人です。そして有難いことに、多くの方々にご指導、ご支援いただきましたお陰をもちまして、この春一つの目標を達成することができました。本日、皆さまにご報告いたします。
まず第一に、先日3月26日(木)に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科博士後期課程を修了し、博士(スポーツ科学)を取得いたしました。博士論文のテーマは、「アーティスティックスポーツのマネジメントに関する学際的考究の可能性 —— フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化経済学」というもので、競技性と芸術性を兼ね備えているスポーツ全般の振興を企図したマネジメント論です。この博士論文は、競技者やプロ時代に自分が抱いた疑問や問題意識を起点とした5年間の研究の成果となっておりますが、書き上げるまでには本当に多くの先生方のご指導と、社会調査等に快くご協力くださいました方々のお力添えを賜りました。ここに、ご指導くださいました先生方と、ご協力くださいました方々に、心より御礼を申し上げます。
今後はさらに研究を発展させていくと共に、その研究成果を駆使してスポーツやアートの振興に貢献していけるような実践活動にも取り組んでいきたいと考えております。
そして第二に、本年10月1日から國學院大學人間開発学部健康体育学科の助教に就任することが決定いたしました。2015年に大学院に進学して以降、私は一貫して大学教員の立場で研究・教育活動を行うことを目標として参りました。この度、國學院大學でそのスタート地点に立つことができ、大変嬉しく存じております。学生の方々と共に学び探究する時間を大事に、精一杯職務に励んで参る所存です。
博士課程修了というのは、大学院生としてのゴールというよりも、むしろ研究者としてのスタートだと捉えています。ですから私にとって、今ここがセカンドキャリアのスタート地点です。2014年末の長野の地にて、研究者としてのセカンドキャリアを拓くという目標を宣言し、私は競技者を引退いたしました。その時からこれまで信じて応援してくださった皆さまに、厚く御礼を申し上げます。心からありがとうございました。
今私が立っているこの地点は、まだまだ通過点です。今後とも日々研鑽を積み、研究・教育・創作に力を尽くしていきたいと考えておりますので、これまでと変わらず見守ってくださいますなら洵に幸いです。
コロナウィルスなど、まだまだ心配事が尽きぬ日々が続くかと思いますが、どうか皆さまお元気にお過ごしください。
2020年4月1日
町田 樹
未だコロナウイルスの問題が冷めやらぬ中、皆さまいかがお過ごしでしょうか。連日暗いニュースが続いてしまっておりますが、日本各地で桜が満開になりはじめ春爛漫です。そのような春の日々を皆さまが、少しでも穏やかに過ごすことができますよう願っております。
さて、過日当ウェブサイトにて3月27日に新規プロジェクトを発表するとお伝えしておりましたが、コロナウイルスの問題による諸事情で発表を見送らざるを得ない状況になってしまいました。この度のプロジェクト発表を楽しみにしてくださいました皆さまに、心よりお詫びを申し上げます。
ただ、本日発表する予定であったプロジェクトそのものが白紙になったわけではありません。また機が熟し、プロジェクトを実現させることができるようになりましたら、必ず皆さまにご報告いたします。
なお、本日新書館とアトリエ・タームが共同制作いたしました新グッズが発売となります。コロナウイルスの感染症問題で外出自粛要請が出されるなど、不安な日々がしばらく続きそうではありますが、ささやかながら私たちが精魂込めて作った品々ですので、少しでも楽しんでいただけましたら幸いに存じます。
皆様のご健康を心より祈念いたしております。
2020年 3月27日
町田 樹
2014年2月、驚くほど暖かな気候のロシア・ソチ。第22回オリンピック冬季競技会が開催されたソチ五輪パーク内のアイスバーグ・スケーティング・パレスにて、私たち日本選手団は過酷な闘いに挑んでいた。今大会から新たに五輪正式種目として採用された、フィギュアスケート団体戦という未だかつて経験したことがない競技形式に挑戦していたのだ。私は、極度の緊張とチーム戦というプレッシャーで自分がどう団体戦を乗り切ったか、正直、今となってはあまり覚えていない。が、一つだけ残照のように脳裏に焼き付いている画がある。それは、キス&クライやチームの応援席でのクリス・リードさんの颯爽とした佇まいと柔らかな笑顔だ。そのようなクリスさんのお姿を拝見すると、不思議なことに緊張状態で殺気立っている自分の心が瞬く間に穏やかに、そして安心するのである。まず第一に、私にとってクリス・リードさんは、そのような温かい包容力を持った人だった。
そして実はもう一つ、私の心に刻まれている画がある。2018年1月27日、台北で開催されたISU四大陸選手権大会で、《Last Emperor & Merry Christmas, Mr. Lawrence》(マッシモ・スカリ振付)を演じる村元哉中&クリス・リード組の姿である。この大会で二人は、アイスダンス部門でアジア初のチャンピオンシップにおける銅メダルを獲得した。
演技冒頭、うずくまった村元の背後に寄り添うように佇むクリス。どこか冷たい冬の風を連想させる風音の中、坂本龍一のピアノがそっと旋律を奏で始める。最初の動き出し、クリスのアームスの動きに導かれるようにして、村元の身体が目覚める。このわずかな一振りで、観る者は「あぁ、この演技は風(クリス)に舞う花(村元)がコンセプトなのか」、と瞬時に悟る。そしてその後の演技も終始、このコンセプトを忠実に、丹念に描いていく。
とりわけ印象的なシーンがある。演技中盤に音楽が「ラストエンペラー」から「戦場のメリークリスマス」へと転換する部分、村元の衣裳が蕾を彷彿とさせるデザインから満開の桜へと一変する。その直後のステーショナリーリフト、クリスの腕に抱かれながら村元が空中を舞う。その重力を感じさせないリフトが、風に吹かれてクルクルと舞い上がる花びらそのものなのである。
未だかつてコンセプトやビジョンを、これ程まで鮮やかに体現してみせたリフトがあっただろうか —— 。少なくとも、私は見たことがない。私は平昌オリンピックの解説(テレビ東京)を務めていたこともあり、何度もこの演技を見返してきたが、何回見てもなんと雄弁な振付と演技なのだろうかと感嘆する。
この風と花の互恵関係が織り成す4分間の舞もまた、私の心に焼き付いた掛け替えのない画であった。
クリス・リードさんは姉のキャシーさんと共に、来年度から関空アイスアリーナにて、本格的にアイスダンスの指導者の道に進むことが決まっていた。
クリスさんとキャシーさんが競技者ではなく、今度は指導者という立場で、日本のアイスダンス界をさらに開拓してくれるだろうと、彼らの活躍を心から楽しみにしていた。そのような矢先のあまりにも早すぎるクリスさんの死は、ただただ残念でならない。
しかしながら、日本アイスダンス界を牽引した彼の功績と、2017-2018年シーズンの名作・名演である《Last Emperor & Merry Christmas, Mr. Lawrence》は、フィギュアスケート史に深く刻まれ、人々の記憶の中に生き続けるはずである。
—— クリス・リードさん、地面にはらりと落ちた桜の花びらが、風を纏って中空へと舞い上がっていく光景を見るたびに、私は必ずや、あなたの物腰が柔らかく紳士な佇まいと、屈託のない笑顔と、そして何よりも、芽吹きの春を運んでくるような生命力溢れる風の体現者となったその演技を、思い起こすことだろう。
永遠の友人であるクリス・リードさんに、心からのご冥福をお祈り致します。
そして、クリスさんがまさにこれから情熱を注ぎ込もうとしていた日本アイスダンス振興への想いが、多くの有志によって果たされることを切に願います。私もその一人として、可能な限りの力を尽くしていく所存です。
2020年 3月24日
町田 樹
皆さまに、新しいお知らせがあります。
昨年の世界選手権大会から連載がはじまった〈町田樹セレクション・スペシャルアワード〉ですが、今シーズンから新たに全日本選手権大会も選考対象とすることになりました。そしてこの「町田樹セレクション全日本篇」は、2020年3月14日発売予定の『ワールド・フィギュアスケート』第88号からスタートいたします。本アワード企画は、競技結果だけではその美質や魅力を伝えきることができない珠玉のプログラムやパフォーマンスに対して、僭越ながら私が、「独断で勝手に」贈る賞です。
ただし、いずれの出場者に対しても首尾一貫した最高水準(完全実力主義)の批評眼で選考を行う世界選手権のアワードに対して、今回新たにスタートさせる全日本選手権のアワードにつきましては、「それぞれの選手が自らの意図するパフォーマンスをどの程度達成できたのか」という到達度を重視して選考することにしました。理由は、あらゆる競技会の中でもとりわけ全日本というのは、選手の様々な志や夢が交叉している場所だと思うからです。「町田樹セレクション全日本篇」は、選手それぞれが全日本にかける想いや目標と、その実現力を大事にするアワードにしていきたいと考えていますので、ぜひご注目ください。
WFS20周年記念講演会の延期と新しいお知らせ
すでに新書館から発表がありましたが、『ワールド・フィギュアスケート』創刊20周年記念講演会が、コロナウィルスの問題により、7月25日(土)に延期される件、皆さまには大変にご負担をおかけ致しますことにお詫び申し上げます。私自身も大変残念に思っておりますが、この際、より一層充実した研究の成果をお話できるよう、さらに探究を深めて参ります。どうか宜しくご理解を賜りますと共に、一人でも多くの皆さまと夏の東京でお目にかかれますことを、心から楽しみにしております。当日の展覧会も鋭意準備中ですので、期待して頂ければ幸いです。
さて、実は予定されておりました3月の講演会後半では、私のこれまでの創作活動や研究活動の成果が基盤となっている二つの新プロジェクトをプレゼンする予定でした。そのうちの一つを、せっかくですので、3月27日(金)に、このホームページ上で皆さまに正式に発表することと致します。どうか楽しみにお待ち頂ければ幸いです。
またここまで、Atelier t.e.r.m と新書館が準備してきた新グッズも、夏の講演会に先行して、3月下旬よりネット販売致します。内容とデザインに心をこめた品々を、愉しんで頂ければとても嬉しいです。
最後に、この度の新型肺炎に関しましては、皆さまどうか万全の注意でお過ごし頂き、それぞれの方が良き春をお迎えくださいますことを改めて祈念しております。
2020年 3月 4日
町田 樹
この度、新書館の『ワールド・フィギュアスケート』誌創刊20周年を記念するイベントとして、2020年3月27日(金)に文京シビックホールで、町田樹講演会「マルチメディア時代のフィギュアスケート」が開催されることになりました。今日では、テレビ、出版物、ウェブサイト、ストリーミング、動画投稿サイト、SNSなど、多様なメディアを介して膨大な情報が流通するようになりました。こうした昨今のマルチメディア時代において、なお「雑誌」にはいかなる価値があるのでしょうか。本講演会第一部の基調講演では、雑誌を中心とするフィギュアスケートとメディアの関係や展望を、改めて学術的に問いなおしてみたいと考えています。
また第二部のシークレット企画では、私がプレゼンターを務めるユニークなイベントを準備しております。その他にも、会場では新書館と町田樹所蔵の資料展示会や、今回の講演会を記念した Atelier t.e.r.m 公式の新グッズ販売会を行う予定です。
フィギュアスケートを長年愛するファンの皆さまはもちろんこと、これからフィギュアスケートに注目したいと思ってくださっている方々や、フィギュアスケートに関心がなくともスポーツのメディア論に興味がある方々にとっても、改めて考えたり、楽しんだりしていただけるよう企画しておりますので、ぜひ当日会場に足を運んでいただけましたら幸いです。
なおイベントの概要につきましては、以下をご覧ください。
【開催概要】
主催:株式会社新書館
日時:2020年3月27日(金)19:00 開場 / 19:30 開演 / 21:15終了予定
会場:文京シビックホール 大ホール
料金:6,500円(税込)*ワールド・フィギュアスケート創刊20周年記念ノベルティ付き
詳細:https://www.shinshokan.co.jp/wfs20th/event0327.html
【プログラム】
●第一部 基調講演(登壇者:町田樹)
●第二部 シークレット企画(プレゼンター:町田樹)
*第二部シークレット企画の内容は、当日まで非公表となります。
*開場後ホワイエ(エントランスホール)にて、『ワールド・フィギュアスケート』関連資料・町田樹所蔵資料特別展示会と、今回の講演会を記念した Atelier t.e.r.m 公式の新グッズ先行販売会を行います。
遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
本年も皆さまにとって、実り多き一年となりますよう心から願っております。
2020年は1964年以来、約半世紀ぶりに東京でオリンピックが開催される記念すべき年ですが、私にとりましても一つの目標にたどり着き、そしてまた新たなスタートを切るという「到達」と「出発」の分岐点になる節目の年となりそうです。
思えば、私はこれまでもフィギュアスケートの競技者として、あるいはプロの実演家としても、「到達と出発」を繰り返してきたのだと気付かされます。そうして過去の自分から、現在、そして未来の自分へとバトンを手渡していくのだと —— 。ただその過程では、私を支えてくれる伴走者がいてくれたり、道の先で期待と応援の念を込めて私を待っていてくれたり、挫けた時に後ろを振り向かないよう後方から背中を押してくれた人がいたり、様々なシーンで多くの方々から多大な力をもらいました。そしてだからこそ、今こうしてバトンを繋げることができているのだということを、スケーターを引退して1年以上が経った今、より強く実感しています。こうした実感が引退して以降、日増しに強くなるのはきっと、ゼロから歩みはじめた学問の世界で揉まれることで、自らの視野をほんの少しでも広げることができたからなのかもしれません。
これからもそうした感謝の念を忘れず、そして喜びや感興を大事に、次の目的地へと歩みを進めていきたいと思います。
そしてもう一つ、皆さまにお伝えしたいことがあります。
昨年6月に新書館の編集部が企画・募集してくださいました「町田樹最終2作品に贈る言葉」ですが、投稿してくださいました皆さまより、総計952通もの深く温かいメッセージをいただきました。さらについ先日、新書館の編集部がそれら全てのメッセージを『町田樹振付作品に贈る言葉』第4巻として文庫本にまとめ、私を含むAtelier t.e.r.mの元に届けてくださいました。
作品とは、それが創造された時ではなく、観賞者によって何らかの意味や価値が見出された時にはじめて生が授けられるものです。皆さまの作品に対する想いの籠もった言葉の数々を拝読させていただくと、私たちAtelier t.e.r.mが創作した作品の数々は、いまや私たちの手を離れ、しっかりと自立し生きているのだと心から嬉しい気持ちでいっぱいになります。創作の力や芸術の可能性は無限だと改めて感じさせてくれたことに加え、新たなインスピレーションを与えてくださった言葉の数々にアトリエ一同、本当に感謝しております。私自身はスケーターを引退しましたが、今後ともまた別の形で創作物を世に発信していけるよう、引き続き努力して参ります。
私たちの作品を観賞してくださった方々、改めまして心からありがとうございました。
新しいスタートを切るにあたり、心から皆さまに御礼を申し上げ、皆さまにとっても充実した一年が始まることを祈念しております。
そして近々、新たな企画を発表することになりますので、そちらも是非ご注目いただけましたら幸いです。
2020年 1月16日
町田 樹