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ファンアート募集のお願い

この度、東京ニュース通信社のKiss & Cry編集部が、今冬に発売予定の雑誌『(仮)町田樹スペシャルブック』にて、ファンアートの特集を組んでくださることになりました。


競技者時代から今日に至るまで、ファンの皆さまが心を込めて制作してくださった数々のファンアートを拝見することで、どれ程の原動力になったか計り知れません。この場をお借りして、改めて御礼を申し上げます。
皆さまが丹誠込めて制作してくださったすべての作品たちは、私の網膜に焼き付いておりますが、この度の『(仮)町田樹スペシャルブック』にも掲載させて頂き、ぜひ多くの方々と共有させて頂きたく存じます。


掲載作品の選考は、すべて編集部にお任せしています。くれぐれも注意事項を熟読の上、ご応募ください。
紙幅の都合上、洵に残念ながらご投稿頂きました作品すべてを掲載することは叶いませんが、皆さまからお送り頂きました作品の複製画像は、後ほど編集部よりすべて頂き、これまでの思い出とともに、大事に手元に残しておきたいと思います。
今回のファンアートもAtelier t.e.r.mのメンバーと共に、心から楽しみにお待ちしています。過去作品・新作を問わず、どうぞお気軽にご投稿ください。


ファンアートの募集要項:
http://www.tvguide.or.jp/machida_funart.html

プリンスアイスワールドへの出演を終えて

 それは忘れもしない2007年2月3日のこと。高校2年生だった私は、いつも通り自宅から「愛車」のマウンテンバイクに乗って、日々の練習拠点としていた広島ビッグウェーブ(広島市総合屋内プール)のリンクへと向かっていた。おそらく何千回と通ってきた道のりだが、いつもよりペダルを漕ぐ足が格段に軽い。なぜならば、この日はプリンスアイスワールド2007広島公演の初演日にして、私がショースケーターとして「デビュー」する記念的な日でもあったからだ。

 リンクに入って驚いた。毎日漠然と見なれてきた練習場の、いつものただ白い氷と、周囲の殺風景な観客席が、一夜にして「劇場」へと変貌を遂げていた。いかなる場所をも非日常の空間に変えてしまう舞台照明の光を初めて浴びた時には、全身に鳥肌が立ち、アドレナリンがほとばしった。演技中は、右も左も分からぬまま無我夢中ではあったものの、ピンスポットに照らされた者だけが得られる快感と、しかし、その代償として背負わねばならない「重圧」の両者を、私の本能は瞬時に悟ったのである。そして、トラスで天井に吊られたスピーカーから発せられる重低音の波動は、直接に身体の細胞を揺さぶってくる。私はその時初めて、耳ではなく「肌で音楽を聴く」という体験をしたのだった。

 その他にも、舞台の表と裏を厳然と区分する幕。香盤表の順序通りに、自らの出番を待ち構えるかのような色とりどりの舞台衣裳。楽屋机の上に所狭しと並べられたメイク道具。舞台裏の通路に張り巡らされた、様々な機材から伸びる黒く太いケーブル。照明機材やスピーカーを格納するために、舞台袖に積み上げられた巨大なハードケース —— それら目に入るもの全てが、新鮮で輝いて見えた。まるで秘密基地を与えられた子供のように、私は胸の高鳴りを抑えきれずに、照明演出のために焚かれたスモークで少し霞みがかった、狭く仄暗い舞台裏を歩き回った。そして、ショーを支える専門家たちの仕事をつぶさに観察し、舞台機構を学んだ。とりわけ、表舞台へと向かう先輩プロスケーターたちの、空気を切り裂くような鋭利な眼差しに射抜かれては、アイスショーが文字通りの「真剣」勝負の場であることを、身に沁みて痛いほど理解することとなったのである。


 気がつけば、あの日から10年という時が経過した。今なお舞台の現場に入れば、照明、音響、衣裳、メイク道具、そして舞台空間そのものが、私の第六感を含むすべての感覚を、強烈なまでに刺激してくる。そしてこの感覚は、あのデビューの日に得た感覚と微塵も変わらない。広島での最終公演、《ボレロ》を演じる直前の暗闇の中、興奮する身体を抑制しながら幕が開くのをじっと待ち構えている時、ふとそのようなことを思い、ここに今なお、自分が立てていることに思わず感謝をせずにはいられなかった。

  —— そして公演終了後、興奮の余波か、極度の疲労か定かではない震える足を労わりながら、いつものように無事に仕事を終えることができた心地よい安堵感と、祭りが終わった後に味わうような一抹の寂しさの両方を抱え、10年後の今日を終えたのであった。


 本日、私にとって最後となるプリンスアイスワールドの公演を終えることができました。ここまで幸いにも無事に、演者としての仕事を全うすることができました。これもひとえに、練習や作品を制作するための環境をご提供くださいました株式会社プリンスホテル、親身に相談に乗っていただき、舞台演出を緻密に実現してくださいました舞台監督、照明・音響スタッフの皆さま、未熟だった私にショーの仕事を微細にわたりご指導くださいました演出家の先生、先輩方、そして放送関係の方々をはじめ、プリンスアイスワールドの制作に携わってこられたすべての関係者の皆さまのお力添えのお陰です。拍手と声援で力をくださった観客の皆さまの存在も忘れられません。

 この場を借りて、心より感謝を申し上げます。

 また上演中、幕内にてスタンバイしている私に、時にアイコンタクトでエールを送ってくださったり、あるいは演技を終えて舞台裏へとはける私を、いつも温かく迎えてくださいましたプリンスアイスワールドチームの歴代すべてのキャストの皆さまにも、厚く御礼を申し上げます。その仲間の一人として、氷上で思う存分滑って、踊って、表現した時間は、私にとって一生の財産です。

 最後になりましたが、2007年にスケーターとしての私を見出し、アイスショーの世界に誘ってくださって以来10年、たとえ競技成績が振るわなかった時にも、変わらず私の成長と仕事ぶりを見守り続けてくださいました(株)プリンスホテル飯田廣文氏、伊藤尚之氏、岩崎伸一氏に、改めて深く御礼を申し上げます。


 40年間脈々と受け継がれ、発展してきたこの素晴らしき舞台芸術が、未来へと継承され続けていくことを、真に祈念いたしております。


 私にとって母のような舞台であるプリンスアイスワールドに、最大限の愛と感謝を、ここに記します。


2018年8月19日

町田 樹

「町田樹振付作品へ贈る言葉」投稿のお願い

この度、新書館の『町田樹の世界』編集部が、このような素敵な企画を立てて下さいました。
2013年振付の《白夜行》から考えれば早や5年、ここまで私は苦心しながらもAtelier t.e.r.mと共に楽しみ、フィギュアスケートの概念を少しでも広げ、自由に羽ばたかせる可能性を夢見ながら、作品を世に送り出してきました。


皆さんはどの作品がお気に入りですか? どんな所に惹かれましたか?
作品が生まれるところを同時代に見届け、応援して下さった皆さまの声を、ぜひ後世に残したいと思います。


掲載決定はすべて編集部にお任せしています。
200字という短い字数ではありますが、どうかお気軽に御投稿ください。
皆さまの御心は後ほどすべて頂き、今後の糧にしていきたいと存じます。
Atelier t.e.r.mのメンバーと共に、心から楽しみにお待ちしています。


「町田樹振付作品へ贈る言葉」投稿フォーム:
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc6VRBik8dVq2QICIyHOn1aB78L8eeYPlnHDkS7Vuo0KBEnIQ/viewform

Homage to Our Beautiful Skater, Denis Ten.

 デニスと私の出会いは、2007年にオーベルストドルフ(ドイツ)で開催された世界フィギュアスケートジュニア選手権大会の会場であるスケートセンターの更衣室だった。更衣室の隅に不安そうな顔で、一人ちょこんと所在無げに座っている彼に軽く声をかけたのだが、私も彼も初めての世界ジュニア遠征で動揺していたのか、互いにぎこちない挨拶を交わしただけで、私はその場を離れた。だがその直後、公式練習で氷上に降り立った彼を見た私は、度肝を抜かれた。そこには先ほどの更衣室で静かに座っていた少年とはまるで別人であるかのように、身体に自信が漲っており、軽やかにジャンプを跳んで、気品溢れる身のこなしでリンクを縦横無尽に踊るデニス・テンの姿があった。その時、海外遠征の経験が乏しかった私は、世界の壁は「高く」、そして「厚い」ことを強烈なまでに思い知らされたのであった。
 この日以降、デニス・テンというスケーターは、私にとって常に意識(対峙)し続けなければならない人となった。それは「ライバル」という簡単な言葉では言い表せない(表したくない)関係だったように思う。


 彼はこれまでに数多くの素晴らしいパフォーマンスを発揮してきた。中でもとりわけ2015年に韓国ソウルで開催された四大陸フィギュアスケート選手権大会での演技が印象深い。ショートプログラム《Caruso》では、デニスの身体の最大の持ち味である「気品」と「凛々しさ」が、ジョセフ・カレヤの朗々とし、かつ精悍な歌声に乗せていかんなく発揮されている。完全無欠なエレメンツは言うまでもなく、終盤に展開される歌声の高まりに伴って、エッジの傾斜と勢いが増していき、エンディングへとたたみかけるステップシークエンスが秀逸である。
 フリースケーティング《New Impossibilities》では、民族音楽の多様な旋律やリズム、楽器の音色を多彩なスケーティング技術で体現していく。演技後半、打楽器と弦楽器が調和する部分で、次々に実施されていくジャンプやスピンが「舞い」の一部として昇華するほどのクオリティーであるため、観る者はあたかも壮大なダンスステップを見せられているかのように錯覚する。デニス・テンのプログラムは冷静で優雅な作品が多い印象だが、この《New Impossibilities》は、彼が慈愛に満ちた情熱のダンサーであることに気づかせてくれる。2014-15シーズンに演じられたこの二つのプログラムで堪能できる「気品」と「慈愛に満ちた情熱」が、デニス・テンというスケーターの真骨頂だと、私は考えている。この二作は間違いなくフィギュアスケート界において遺産となるプログラムとなるだろう。


 その理不尽な死を前にして、デニスとの日々を顧みる時、私自身のスケート人生がそのまま復元されるかのようである。それだけ彼との接点が数多くあったのだろう。いまは無き、アイスキャッスル(ロサンゼルス・レイクアローヘッド)のコバルトブルーの氷上で、互いの存在を意識し、鎬を削るような刺激に満ちたトレーニングを共に積んだ時間が、私の記憶の中で昨日のことのように鮮やかに甦ってくる。



 永遠の友人であるデニス・テンさんに、心からのご冥福をお祈り致します。
 そして、私たちの最後の共演であり、彼自身日本での最後の演技となったプリンスアイスワールド2017日光公演での映像を、記念碑としてここに捧げます。


“Tu sei” performed by Denis Ten, on 6th August 2017.


2018年7月19日

町田 樹

Japan Open 2018およびCarnival on Ice 2018出演のお知らせ

Japan Open 2018およびCarnival on Ice 2018に出演いたします。

両公演ホームページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/coi2018/


Japan Open 2018
主催:株式会社テレビ東京、IMG
会場:さいたまスーパーアリーナ
出演:10月6日(土)12:30開演


Carnival on Ice 2018
主催:株式会社テレビ東京、IMG
会場:さいたまスーパーアリーナ
出演:10月6日(土)18:30開演


両公演とも新作を披露する予定です。
なお、上記の公演をもちまして私、町田樹は学業専念のため、プロフィギュアスケーターを引退いたします。私にとって様々な思い出の詰まったさいたまスーパーアリーナにて、一人でも多くの皆様にお会いできますことを心より願っております。

《ボレロ:起源と魔力》最終公演のお知らせ

《ボレロ:起源と魔力》はプリンスアイスワールド2018東京公演および広島公演が最終公演となります。
そしてこの両公演が私にとって、プリンスアイスワールドへの最後の出演となります。東京公演、広島公演にて一人でも多くの皆様とお会いできますことを願っております。


Prince Ice World 2018 東京公演
主催:西武鉄道株式会社
会場:ダイドードリンコアイスアリーナ
出演:2018年7月13日(金)〜16日(月・祝)


Prince Ice World 2018 広島公演
主催:広島ホームテレビ/山口朝日放送/日本海テレビ/中国新聞社/
プリンスアイスワールド広島実行委員会
会場:広島サンプラザホール
出演:2018年8月18日(土)〜19日(日)

Sport Management Studies更新のお知らせ

Sport Management Studiesを更新しました。
 フィギュアスケートをはじめとするアーティスティック・スポーツのマーケティングについて考察したコラム「スポーツ的美と芸術的美の享受」が、原田宗彦・藤本淳也・松岡宏高編著の『スポーツマーケティング 改訂版』(大修館書店, 2018年, pp.75-78)に掲載されました。

 また笹川スポーツ財団による2017年度助成研究として取り組んできた「芸術的スポーツの著作権法による保護の妥当性に関する研究:日・米のフィギュアスケートを中心に」の成果が、同財団のホームページ上にて公開されました。

プログラムアーカイヴ更新のお知らせ

プログラムアーカイヴに「ボレロ:起源と魔力」を追加しました。
音楽はモーリス・ラヴェルのボレロを使用しています。
人々が当たり前のように自然に結氷した池湖でスケートしていた古の時代にインスピレーションを受け、コンパルソリーフィギュアやムーヴス・イン・ザ・フィールドを振付に応用しながら、フィギュアスケートの初源や失われた氷上文化を現代に甦らせることを試みた作品です。先日開催されたプリンスアイスワールド2018横浜公演にて初演を迎えました。


なお、同公演は5月20日(日)13:30よりBSジャパンで放送されます。

プログラムアーカイヴ更新のお知らせ

プログラムアーカイヴの「Don Quixote Gala 2017:Basil's Glory」および「Swan Lake:Siegfried and His Destiny」を更新いたしました。


Sport Management Studies更新のお知らせ

Sport Management Studiesを更新しました。
また早稲田大学の週刊WEB広報誌である『早稲田ウィークリー』にインタビューが掲載されました。
なお後編は4月9日公開予定です。


早稲田大学週刊WEB広報誌『早稲田ウィークリー』
https://www.waseda.jp/inst/weekly/

Prince Ice World 2018 東京公演出演のお知らせ

Prince Ice World 2018 東京公演に出演いたします。


Prince Ice World 2018 ホームページ
http://www.princehotels.co.jp/iceshow/


主催:西武鉄道株式会社
会場:ダイドードリンコアイスアリーナ
出演:7月13日(金)〜7月16日(月・祝)

Prince Ice World 2018 広島公演出演のお知らせ

Prince Ice World 2018 広島公演に出演いたします。


Prince Ice World 2018 ホームページ
http://www.princehotels.co.jp/iceshow/


主催:広島ホームテレビ/山口朝日放送/日本海テレビ/中国新聞社/
プリンスアイスワールド広島実行委員会
会場:広島サンプラザホール
出演:2018年8月18日(土)〜19日(日)

Sport Management Studies更新のお知らせ

Sport Management Studiesを更新しました。
また、3月5日に早稲田大学で開催された日本スポーツマネジメント学会第10回大会にて、口頭発表を行いました。

テレビ出演のお知らせ

2月25日(日)にテレビ東京系列にて放送する「ピョンチャンオリンピック2018:フィギュアスケートエキシビション」(放送時間:9:00-12:54)および「ピョンチャンオリンピック2018:総集編」(放送時間:22:00-23:54)に出演いたします。
なお、「ピョンチャンオリンピック2018:フィギュアスケートエキシビション」における私の出演は、エキシビションの前後(9:00-9:30および12:00-12:54)のスタジオ解説となります。

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