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第11回衛星放送協会オリジナル番組アワード受賞のお知らせ

 昨年スタートしましたJ SPORTS番組「町田樹のスポーツアカデミア」ですが、皆さまのおかげをもちましてシーズンⅡを終えることができました。ご視聴くださいましたすべての方々に、心より御礼を申し上げます。
 さて、皆さまに嬉しいご報告があります。昨年のシーズンⅠで放送いたしました本番組(慶應義塾大学環境情報学部准教授・藤井進也先生ゲスト回)が、第11回衛星放送協会オリジナル番組アワード審査員長賞を受賞いたしました。本賞に関する詳細な情報と、本番組に対して吉岡忍審査委員長より賜りました講評につきましては、下記の衛星放送協会のウェブサイトをご覧ください。


第11回衛星放送協会オリジナル番組アワード審査員長賞:
https://www.eiseihoso.org/award/2021/special.html


 本日、よみうり大手町ホールで開催されました本アワードの授賞式に参加して参りました。並み居る素晴らしい番組のなかで、本番組が受賞できましたことはひとえに、J SPOSRTの皆さまと、藤井進也先生をはじめご協力くださいましたすべての方々のお力添えのおかげです。これからも「町田樹のスポーツアカデミア」を益々充実した番組にしていけるよう精進を重ねて参りますので、今後ともご視聴いただけましたら幸いに存じます。


 なお、本日の授賞式にて進行のアクシデントがあり、壇上でお話しする予定であった「受賞の言葉」を話すことができませんでしたので、以下に書き添えておきたいと思います。


■第11回衛星放送協会オリジナル番組アワード審査員長賞受賞の言葉


 この度は、このような素晴らしいアワードを賜りましたこと、大変有り難く存じております。また吉岡忍委員長より、激励のお言葉と大変貴重な講評をいただきましたことにつきましても、重ねて心より御礼を申し上げます。


 「町田樹のスポーツアカデミア」は昨年スタートした番組ですが、J SPORTSの皆さんに支えられながら、私自身が一回一回の番組内容を企画し、出演もしております。番組自体は比較的シンプルなつくりではあるのですが、J SPORTSの皆さんと世界をリードする研究者の方々と共に、練りに練って制作している番組ですので、今回の受賞はそうした方々のお力添えによる賜物であると考えております。


 さて、つい一昨日閉幕しました東京オリンピック・パラリンピックでは、アスリートたちの真摯な活躍が光った一方で、様々な課題が残されました。しかしそれは、何もオリ・パラに限ったことではありません。スポーツ界には、まだまだ私たちが真剣に考えていかなければならない課題が山積しています。にもかかわらず、そうした問題は地上波放送のマスメディアではなかなか取り上げられない、という現状もございます。
 本番組は、そのようにして見過ごされている諸問題を学術的に検討し、その成果を衛星放送というメディアの強みを活かかしながら、社会に発信していくことを使命としています。


 今回の受賞を励みに、これからもスポーツ界の方々や一般視聴者の方々に向けて、最先端のスポーツ情報やスポーツをめぐる議論、スポーツのより深い見方を発信していけるようなコンテンツを制作して参りたいと考えております。
 本日はこのような場を設けていただき、洵にありがとうございました。
 引き続き本番組にご注目いただけましたら幸いです。



2021年 9月 7日
町田 樹

J SPORTS「町田樹のスポーツアカデミア」シーズンⅡ突入

 昨年スタートしたJ SPORTS「町田樹のスポーツアカデミア」が、いよいよシーズンⅡに突入します。この番組は、「スポーツ×学問」をテーマに、あらゆる角度からスポーツ界の事象を語り、スポーツを「する」「みる」「ささえる」全ての人々に役立てていただけるような最先端の情報を発信するものとなっています。
 昨年と同様に、シーズンⅡも「ルポルタージュ:アリーナの今を訪ねて」、「アーカイブ:フィギュアスケート・ザ・マスターピース」、「ダイアログ:研究者、スポーツを斬る」の三本立てになっています。
 まず5月25日(火)19:00-20:00放送の「ルポルタージュ:アリーナの今を訪ねて」では、今年20周年を迎えた日本随一のアリーナである、さいたまスーパーアリーナの調査リポートをお届けいたします。施設の所有者(埼玉県)、設計者(株式会社日建設計)、管理者(株式会社さいたまアリーナ)をはじめ、さいたま新都心のまちづくりの一翼を担う行政(さいたま市)関係の方々から話を伺いました。スケーター時代、いつも最高の舞台を提供してくれていたさいたまスーパーアリーナ。その舞台の裏には、アリーナ時代を先取するような技術とシステム、行政との連携があることをご紹介します。そして同時に、現場の方々の情熱と愛がそこにあったということに、改めて胸を打たれました。
  そして6月に放送予定の「アーカイブ:フィギュアスケート・ザ・マスターピース」では、アメリカ出身のスケーターであるアダム・リッポンさんが2013-2014年シーズンに演じたフリープログラム《牧神の午後》を取り上げ、プログラムの美質を深く掘り下げていきます。私が大学院博士課程時代より取り組んできた研究テーマを、ついにテレビを通じて映像とともに発信できますこと、大変嬉しく思っています。
 さらに7月に放送を予定している「ダイアログ:研究者、スポーツを斬る」では、現在スポーツ界で喫緊の課題とされている問題に関して、エキスパート研究者の先生方と議論していきたいと考えております。ご期待ください。
 このように、シーズンⅡも充実したコンテンツが盛り沢山となっておりますので、一人でも多くの方にご覧いただけましたら嬉しく思います。



2021年 5月 24日
町田 樹

新年度のご挨拶およびご報告

 緊急事態宣言が解かれたものの、依然として予断を許さないコロナ禍が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。外はずいぶん日差しの暖かさが増し、桜も満開です。ふと外を眺め、新緑が勢いよく成長し、花々が華麗に咲き誇っているのを眺めていると、地球という大自然は、コロナ禍などどこ吹く風といった具合に、何一つ変わることなく淡々と宇宙の法則通りに春夏秋冬の輪廻を繰り返しているだけで、この未曾有の事態を前に混乱しているのは地球上で唯一、人間だけなのだなとしみじみと感じたりもします。ただ、私たち人間も冬の季節で立ち止まっているわけにはいきません。慎重に少しずつでも、安心安全を担保した上で春を目指さしていかなければなりません。昨年から現在に至るまでのコロナ禍では、私自身、そのようなことを強く念じ続けて活動を続けて参りました。
 そしてこの度、その成果をいくつか皆さまにご報告できる運びとなりました。以下のご報告事項を皆さまと共有できますことは、私にとって雪解けを経て蕾が開花するような気持ちです。ようやく昨年耐え忍びながら準備してきた色々なことが実を結びはじめました。
 人類がコロナ禍を克服し、皆さまと共に真の春を晴れやかな気持ちで迎えられる日を心から楽しみに、これからも研鑽を積んで参る所存です。引き続き何卒宜しくお願い申し上げます。


【1】「プリンスアイスワールド2021前夜祭」開催のお知らせ

 株式会社プリンスホテルとプリンスアイスワールドが主催する新たなイベント、その名も「プリンスアイスワールド2021前夜祭 ―― 町田樹PIW愛を語るトークショー」と「オンライン二次会 ―― トワイライト・ティータイム」に出演することが決定いたしました。この両企画の詳細につきましては、下記のウェブサイトからご覧になってください。Atelier t.e.r.mが企画立ち上げから関わり、徹底した感染拡大防止対策を第一にして、主催者とともに丹念に計画してきたイベントになりますので、ぜひ楽しみにしてくださいましたら幸いです。
 昨年、全公演が中止に追い込まれたプリンスアイスワールドがいよいよ再始動いたします。「プリンスアイスワールド2021前夜祭」は、新横浜公演が初演を迎える前夜に、過去のPIW傑作作品映像を巨大スクリーンで鑑賞しながら、私がテレビ東京アナウンサー・板垣龍佑氏と共にPIW愛を語り尽くす、というユニークなイベントです。私たち同様、プリンスアイスワールドを愛する皆さま、ぜひ本イベントにお越しください。一緒にプリンスアイスワールドが再開する喜びを分かち合いましょう。
 また「オンライン二次会 ―― トワイライト・ティータイム」は、先にご紹介した前夜祭とは別企画ですが、その二次会という位置づけで、イベント会場となる新横浜プリンスホテルに宿泊される方限定のイベントになります。一次会の「前夜祭」が終了した後、各自が宿泊ルームに戻り、そこからZoomのウェビナーを通じて参加者と私の双方向型のトークセッションをご堪能いただく、というイベントです。具体的には、私が今年のPIWの見所を語った後に、皆さんから集めた質問事項にお答えしていきます。その際、皆さんのお手元には「トワイライト・ティータイム」と銘打たれたカフェインレスの紅茶とヘルシーなスィーツのセットをご用意いたしますので、そのティーセットと共におやすみ前のナイトラジオをお聞きいただく感覚で、本イベントをお楽しみいただけたらと思います。
 なお、前夜祭のみ(宿泊なし)、オンライン二次会のみ(宿泊付き)という形でも、もちろんご参加いただけます。


「プリンスアイスワールド2021前夜祭」詳細:
https://www.princehotels.co.jp/shinyokohama/informations/piw2021event


「オンライン二次会トワイライト・ティータイム(新横浜プリンスホテル宿泊プラン)」詳細:
https://www.princehotels.co.jp/shinyokohama/plan/twilight_2021


【2】作品集ブルーレイ「氷上の舞踊芸術」(新書館)発売日決定および予約開始のご報告

 新書館およびテレビ東京と共に、足掛け2年間をかけて制作して参りました作品集ブルーレイ『氷上の舞踊芸術 ―― 町田樹振付自演フィギュアスケート作品 Prince Ice World映像集2013-2018』の発売日がついに、2021年4月30日に決定いたしました。本ブルーレイ製品の詳細に関しましては、4月9日に新書館より発表されるウェブサイトをご覧ください。映像コンテンツ、デザイン共に妥協なく作り込んできた愛蔵版の映像集ですので、ぜひ手にとっていただけましたら嬉しく思います。
 なおブルーレイボックスの中には、今回の映像集に未収録の作品も含め、町田樹振付自演作品すべてのセルフライナーノーツが写真と共に掲載された、80ページにもおよぶブックレット(日英のバイリンガル仕様)と、映像集購入特典である「逆バナーカード」が同梱されております。
 ブックレットは、一冊の著作となるよう編集され、書き下ろしコラムも加えて充実した内容になっております。
 そして「逆バナーカード」は、私から皆さんへのエールのメッセージを記入したバナー風デザインのカードになっております。ありがたいことに、私はこれまで多くの方々の温かい応援をいただきながら、氷の舞台に立ってきました。スケーターとして歩んでいると、苦しいとき、悔しいとき、嬉しいとき、いろいろな場面を迎えることになりますが、いついかなるときでも、そこには心のこもった声援と、創作性や愛に溢れるバナーがありました。これがどれほど私の力になったかわかりません。ですから、今度は私が皆さんにバナーを振ってエールを送りたい ―― そのような思いを込めて、エンターテインメント業界初の試みとして、新書館さんと作成したカードになります。こちらもお楽しみいただけましたら幸いです。
 本ブルーレイ製品は、上記【1】でご紹介した4月30日開催の「プリンスアイスワールド2021前夜祭」と、その翌5月1日から5日まで開催される「プリンスアイスワールド2021新横浜公演」の会場にて先行販売いたします。その後は順次、新書館とバレエショップ・フェアリーのウェブサイト上で販売いたしますので、ぜひご注目ください。


【3】テレビ東京(テレスポ)×町田樹のコラボレーション企画のお知らせ

 先日新たに立ち上げました〈継承プロジェクト〉は、田中刑事選手と共に準備を着々と進めております。今回、この新しいプロジェクトの趣旨を、より広く深く理解していただくために、現在、テレビ東京と様々なコラボレーション企画に取り組んでおります。このコラボレーションによって制作されました諸コンテンツは、今後テレビ東京の番組や、同局公式YouTubeチャンネルである「テレスポ」にて順次配信していく予定です。こちらもぜひ楽しみにしていただけたらと思います。


 皆さまへのご報告は以上となります。
 また上記イベントをはじめ、皆さまにお会いできます日を楽しみにしております。どうかくれぐれもお元気にお過ごしください。


2021年 4月 6日
町田 樹

新年度にあたって研究活動のご報告

【1】受賞のご報告

 この度、昨年6月に白水社より出版いたしました拙著『アーティスティックスポーツ研究序説 ―― フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論』が、日本体育・スポーツ経営学会の令和2年度学会賞を受賞いたしました。同学会は、国内におけるスポーツ経営学領域を牽引する歴史と伝統ある学会ですので、今回の賞をいただけましたことは大変光栄に思います。同学会の先生方、これまでご指導してくださいました先生方、調査研究にご協力くださいましたすべての皆さまに、心より御礼を申し上げます。この賞を大きな励みに、スポーツ振興に寄与することのできる研究に取り組んで参る所存です。


日本体育・スポーツ経営学会の学会賞ホームページ:
https://jsmpes.jp/prize/p1.html


【2】助成研究採択のご報告

 またこの度、「ダンスとスポーツの領域横断的研究 ―― 芸術的スポーツの史的記述と批評理論の構築」という研究テーマが、日本学術振興会の科学研究費助成事業(科研費・若手研究)に採択されました。本研究は、2021年度から2024年度まで科研費の助成を受け、アーティスティックスポーツの美学および芸術学研究に取り組んでいくものとなります。
 私はこれまでアーティスティックスポーツをスポーツマネジメントやアーツマネジメントの観点から、主に社会学、経済学、法学の領域で研究して参りましたが、今後はこうした研究を継続させながら、本格的に美学・芸術学の領域でも研究活動を進めていくことになりました。引き続き真摯に研鑽を続け、研究の成果を様々な形で社会に発信していきたいと考えております。



2021年 4月 6日
町田 樹

〈継承プロジェクト〉発動のお知らせ

 未だ新型コロナウィルスの問題が冷めやらぬ中、皆さまいかがお過ごしでしょうか。連日暗いニュースが続いてしまっておりますが、外は早咲きの桜が咲き、春の訪れを感じさせてくれます。今年こそは、来たる春爛漫の日々を皆さまが、少しでも穏やかに満喫できますよう祈念いたしております。

 さて、昨年の3月27日以来、当ウェブサイトにて発表を延期し続けておりました新規プロジェクト(News「新規プロジェクト発表見送りのご報告」)ですが、この度、一年越しにようやく皆さまにお知らせする運びとなりました。新型コロナウイルスの影響で、一時中断を余儀なくされたプロジェクトです。関係各位のご協力を賜りながら、今年ようやく実現へと舵を切ることができ、大変嬉しく存じております。感染症拡大問題に関しましては、依然として予断を許さない状況が続いておりますが、細心の注意を払い、安全に本プロジェクトを遂行していくことを誓います。詳細は、以下をご覧ください。


 この度私たちは、以下の通り新たに、〈継承プロジェクト〉を立ち上げますことをご報告いたします。私のこれまでの創作活動や研究活動の成果が基盤となっているプロジェクトですので、ぜひご注目ください。


●アトリエ・ターム監修・町田樹振付作品の「上演権許諾制度」を開始


 これまで私が振付および実演してきました諸作品(プログラムアーカイヴに一覧化されている町田樹振付作品)を、適正な能力を備えたスケーターであれば誰もが演じられるよう、「上演権」(著作権の支分権の一つ)を許諾する制度を開始しました。この制度は、私が振り付けたプログラムを踊りたいと希望してくださるスケーターが現れれば、慎重に検討をした上で演じることを許可するというものです。これを今後、〈継承プロジェクト〉と称したいと思います。
 私は2017年以来、上演権を基盤にしたフィギュアスケートプログラムの実演許諾制度が確立できないものかと、著作権研究に努めてきましたが、一昨年その研究の成果がまとまり、学術的観点からこの制度が実現可能であることが明らかとなりました(*)。


 長い歴史と伝統を持つ舞台芸術の世界は、「作品が人を育て、人が作品を育てる」という「人と作品の互恵関係」によって成り立っています。このような互恵関係を理念としているこのプロジェクトが、フィギュアスケートの舞台芸術としての可能性をより豊かに拓いていくものになりましたら、これに勝る歓びはありません。


 そこでまずは、このプロジェクトのトップバッターとして田中刑事さんが、2021年5月1日から5月5日までの5日間10公演、KOSÉ新横浜スケートセンターで開催されますプリンスアイスワールドにて、《Je te veux》(2014年振付作品)をご披露いたします。町田樹の《Je te veux》ではなく、田中さんの個性が存分に反映された作品・実演になると確信しておりますので、ぜひご堪能ください。なお、今回田中さんが出演される公演の概要は、以下の通りです。


プリンスアイスワールド2021ホームページ
https://www.princeiceworld.com/posts/iceshow/qzvdgf

主催:テレビ神奈川 / 株式会社プリンスホテル
会場:KOSÉ新横浜スケートセンター
田中刑事出演:2021年5月1日(土)〜5日(水・祝)



 今後とも日々研鑽を積み、研究成果や創作成果を繰り出していきたいと考えておりますので、これまでと変わらず見守ってくださいますなら洵に幸いです。
コロナウィルスなど、まだまだ心配事が尽きぬ日々が続くかと思いますが、どうか皆さまお元気にお過ごしください。



2021年 3月 12日
町田 樹



*私の著作権研究の成果につきましては、町田樹「著作権法によるアーティスティック・スポーツの保護の可能性――振付を対象とした著作物性の画定をめぐる判断基準の検討」(『日本知財学会誌』第16巻第1号, 日本知財学会, 2019年6月, pp.73-96.)および拙著『アーティスティックスポーツ研究序説』(白水社, 2020年6月出版)をご参照ください。

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